矢吹咲子のひとりごと

ひとりごとこそおもしろい

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

カレンダー

月末になると、帰り際に検査室のカレンダーを何枚も捲る。明日の準備のためだ。 予定を書き込みやすい大きなカレンダー、美しい世界の風景写真が載っているカレンダー、メーカーの可愛いマスコットキャラクターが描かれた小さな卓上カレンダー。 カレンダー…

ランニング

2年前にリニューアルされた近所にある公園は、走る環境にうってつけだ。 サッカーや野球ができる多目的運動場と、陸上競技の300mトラックの周りをランナーたちは各々のペースで走っている。 運動を何年もしていない私は、身体を動かさなきゃなと、健康に対し…

カフェ

大きなターミナル駅から歩いて5分もしないところに、くつろげるカフェがある。 隣の大型百貨店とカフェの境には目隠しのための庭木が植えられているからか、小さな路地にあるカフェは自然に守られているかのような佇まいだ。都会の中にある小さなオアシス。 …

初対面

社会に出ている以上、初対面の場合の方が多いのに未だに人と会う時は緊張してしまう。 鼓動が早くなり、沈黙が怖くなる。親しみやすさを演じ、話題を振ったり自己開示をしたりする。 いかにも和んでますよ、打ち解けていますよという空気を纏って、肩の力が…

ガリバタ

漫画「きのう何食べた」の中に鱈のガリバタが載っている。 鱈でなくてもぶり、鮭、めかじきでも美味しくできるそう。だいぶ前に淡白な鱈で作ったきりバター照り焼きを食べていなかった。簡単にできて間違いなくおいしいからまた食べたいと思い立ち、スーパー…

小銭

ベットに横になるよう促すと、おじいさんのズボンのポケットの中からいくつかの硬貨が飛び出す。検査が終わって起きてもらうと、真っ白のベットの上に金銀の鋭く光る硬貨が散らばっている。 お金は財布に入れずにポケットに直に入れる。財布に入れるお金とす…

早寝

毎日の寝る時間が決まっていない。 翌日が仕事の日は24時までには寝ようと意識しているのだけれど、明日が普通番だと思うと1時頃までは起きていることもある。寝られなくても、翌朝に影響はないと身体も心も理解している。 仕事には早番と普通番がある。その…

お弁当

お弁当を忘れた。朝余裕をもって起きて、お弁当箱におかずを詰めてランチバックにお箸と共に入れ、保冷剤まで入れたのに、忘れた。 帰宅したら玄関脇にランチバックが目立つように置かれていた。忘れないようにドアのすぐ近くに置いたのに、意味がなかった。…

チーズケーキ

ふとしたときに「勇気を出す練習」をすることがある。 何が起こるかわからないご時世、明日予想もしていなかったことが我が身に降り掛かってくるかもしれない。生きていくためには、その場で即決即断をしなければいけないことが多すぎる。状況を的確に把握し…

小学校

日曜日に正門から堂々と小学校に入っている。 新しく建てられたばかりの小学校。真っ白な校舎と整備された人工芝のグラウンドが、陽の光を反射して輝いている。 土の上を裸足で駆け回るような運動場と違い、芝生のグラウンドはどことなく格式高い晩餐会を彷…

ポッキンアイス

細長いチューブに入ったジュースを凍らせて食べるポッキンアイス。真ん中がくびれていて、そこで2つにポキッと割れるからポッキンアイス。チューペットや棒ジュースと言ったりもするらしい。 ポッキンアイスは夏の風物詩だ。アスファルトを焦がすような灼熱…

ボディクリーム

毎日顔に化粧水と乳液は塗るにしても、全身に乳液を塗ることはない。乾燥がひどいときとか、肌がSOSを発信しているときとか、応急処置が必要となったときの蘇生として塗るだけ。 全身用乳液。顔だけじゃなくて、全身。ボディクリームを塗るときは、自然と目…

花瓶

黄色い花瓶を二階の窓から毎日眺めている。 底は幅広いけれど、口から首にかけては細い枝一本しか入らないくらいの狭い通り道になっている。丸底フラスコに似ているけれど、フラスコよりも上から半分はもっと細い。 そのビビットカラーで大ぶりの花瓶は、他…

バックヤード

従業員専用とか関係者以外立ち入り禁止とか、そこで働いているスタッフしか入ることのできない場所がある。このような表示の扉をみると、一歩先に進んでみたい衝動にかられる。 たった扉一枚隔てただけで、キャストかゲストかの区別がされる。あれ、キャスト…

本屋さん

本屋さんになりたい。私の将来の夢だった。5歳児の女の子のなりたい職業は、お花屋さんか、ケーキ屋さんか、本屋さんだったと思う。私の通っていた幼稚園に限るけれど。 お花は綺麗だから、花壇に囲まれお花に水やりをして、鮮やかな空間に溶け込んでお仕事…

折込チラシ

毎朝届く新聞の中に、たくさんのチラシが入っている。同時に夕刊も、何食わぬ顔をして朝刊と一緒にいる。新聞配達屋さんは、一日に二度も山間の小さな集落には来てくれないのだ。 早朝に届く夕刊は、前日の日付のものだ。朝刊だってほとんど読まないのに、夕…

ミートソーススパゲッティ

夕飯の献立に度々登場するものに、「スパゲッティ」があった。 スパゲッティとは、小麦粉でできた細長い麺を茹でた上に、ひき肉とケチャップで作ったソースをのっけたものだった。細長い麺は、シャープペンシルの芯よりは太く、HBの鉛筆よりは細い。給食で出…

エンターテインメント

漫画、ドラマ、映画の「きのう何食べた?」が好き。よしながふみさん原作の漫画も、西島秀俊さんと内野聖陽さんのダブル主演のドラマや映画も、両方好き。好きすぎる。 劇場版のブルーレイ、DVDがあと4日で発売。それだけで心躍る。 漫画は全巻持っているし…

コーヒー

ほぼ毎日飲んでいるコーヒー。カフェインを控えようと思っているのに、ついついカフェに入っちゃう。 なんかシャレみたいになっちゃった。カフェインってカフェにイン(in)するって意味。だから、カフェに入る。いきなりなんの解説だよって感じ。 「カフェ」…

ヘアアイロン

どこかお泊まりするときにヘアアイロンを忘れたらパニックになると思う。メガネやコンタクトと同じくらい、ヘアアイロンは必需品だ。 ヘアストレートアイロン。癖毛をまっすぐにしてくれる。アイロンの魔法にかかると、私の髪はサラサラ、ツルツル。触り心地…

紙カルテ

電子カルテなら便利なのにと思うのだけど、私の働いているところでは今も紙カルテを使っている。 独特で個性溢れる文字が読めなかったり(まるで現代版象形文字!)、過去の情報を探すのに手間取ったりデメリットはあるけれど、何気なく手に取ったカルテを見た…

実家の敷地に立派な梅の木がある。この時期は豊富な実をつけ、まるでシャインマスカットのような風貌をしている。思わず手でもぎ取って、そのまま口に含んでしまいたくなる。 木の下から見上げると、真っ青な空が広がり、ほんのり温かくも力強い太陽が照って…

夜更かし

お風呂から上がり、冬用のボアフリースパジャマを着て、いつでも寝られる身なりになった。今日は雨が降り気温も上がらず、季節外れの肌寒さだ。 1日を二等分するのであれば、お風呂に入る前と後で区切るのが妥当だと思う。朝シャンや朝風呂はしないし、1日に…

BGM

カフェでコーヒーを飲みながら読書したりしていると、店内に流れている音楽が耳に響いてくるときがある。たとえほぼ満席で、四方から聞こえてくる人の声が途絶えなかったとしても。 今まで聴こえていなかったはずのものが、突然輪郭が露になり、バックグラウ…

自由

まっさらな五線譜に、定規で縦に線を引いて小節を作り、左端に覚えたばかりの歪んだト音記号を鉛筆で描く。先生の言った通りに、ト音記号の隣に四拍子を表す4/4と書いたら、あとは自由に音符を書いていきメロディーを作っていく。仕上げに「ド」は赤、「レ」…

ケータイ

「ケータイ」を持ったのは高校生になってからだった。 家の決まりで、携帯電話は中学のうちは持ってはいけないことになっていた。その理由は知らない。しかし中学生当時、ケータイを持っていないのはクラスで2、3人しかいなかった。私は立派なマイナーの方の…

檜皮葺

毎日の神社のお散歩コースにはAコース、Bコース、Cコースの3種類がある。 Aコースは王道の参拝ルートを通り、参拝して帰ってくる。Bコースは参拝ルートの一本左にある、細い道を通り、その終着点で王道ルートに合流し、Aコースと同様に参拝する。Cコースは最…

消音でも小音でもなく少音

現在午後3時。8畳の和室の隅に置いてある座椅子に寄りかかり、だらんと脚を伸ばしてポツポツとスマホを打っている。木目調の大きなローテーブルが視界に入り、左前方には、畳の上に寝転んでスマホをいじっている父がいる。 左の大きな戸から吹き込む風が気…

余裕

ゆとりを持って早起きしても、余裕がない。家を出る時間ぎりぎりになってバックに荷物を詰め始める。着替えも直前までしない。 でも、間に合う。こうして乗るべき時間の新幹線に乗っているのだから。 設定した時刻には家を出た。そのためマイペースに歩いた…

目玉焼き

図書館からの帰り道、あるお家の庭先でキラッと輝いているお花を見つけた。 小ぶりだけれど、花の中心の黄色い丸がツルツルしていて、それを囲むように広がる白い花びらはくすみがなく、純粋無垢な少女のようだった。 マーガレット。春先に咲く可愛らしいお…